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第4回 コミュニティビジネスちばエリアネット研究会

12月14日(月)、柏市の「特定非営利活動法人 NPO支援センターちば」を会場に、CB研究会の第4回を開催しました。
今回は、「特定非営利活動法人 TRYWARP」代表理事の虎岩雅明さんより、地域SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)「あみっぴぃ」など、西千葉(千葉市)で展開中の地域密着型のIT事業について話題提供がありました。
CB研究会の本年度活動計画(PDF)


1.地域密着型IT事業の誕生経緯
 2003年にTRYWARPの事業をはじめた(法人認証は2004年)のは、大学院時代に就職活動をしていて、会社のつくったシナリオに乗るような人生を送ることに疑問を感じたのが直接のきっかけでした。「就職しないで生きていこう、起業しよう」と決断し、1年間休学してTRYWARPを立ち上げました。
 TRYWARPの収益性のある事業モデルを考える上でヒントになったのは、学生時代の家電量販店でのアルバイト経験でした。パソコン初心者のお客さんにクリックを教えてあげただけでとても感謝されたという経験から、パソコンのプロが上級者に高度なテクニックを教えるのではなく、「初心者の大学生が超初心者の地域の人にパソコンを教えることで、パソコンに対する苦手意識を解消してあげることが事業につながる」と判断して、パソコン教室の「千葉大パソコンサポーターズ」を開設しました。
パソコン教室は、単にパソコンを教えて収益を上げるのではなく、パソコンを通じて世代の異なる大学生と地域の人が知り合い、「こんにちは」とあいさつする機会を増やすための手段として開設しました。その結果、これまで大学にいる時間以外は千葉に寄りつかず、東京ばかりを向いていた学生が地元西千葉の人と知り合うようになり、地元への愛着がわくこととなりました。
 パソコン教室の元受講生の中には、再びパソコンを使えなくなる人もいました。そこで、当時話題になっていたSNSの「ミクシィ」にヒントを得て、西千葉の人がパソコンを使って、互いにコミュニケーションをとるための地域SNSを始めることになりました。こうして、2006年に「あみっぴぃ」の利用が開始されました。まだ全国的に早い段階での地域SNSの開設であったため、各地から「うちにも地域SNSをつくってほしい」という要請がありました。SNSの設計はTRYWARPの本来の主旨とは異なるため、断ろうとも思ったのですが、別会社(株式会社Trywarp Solutions)をつくって対応することにしました。
 あみっぴぃには現在、3600人の会員がいます。あみっぴぃでは、例えば「スレ、レス、トピ」といったネット用語の使用を禁止するなどのルールをつくり、また画面上のボタンを一般用語に近いことばで表現するなど使いやすいデザインにすることで、世代や立場の異なるさまざまな人が参加しやすいように配慮しています。あみっぴぃは、知り合いでない者同士がネット上で知り合う「出会い系」ではなく、知り合った者同士がネット上で仲良くなる「出会った系」のコミュニケーション・ツールです。ネットによる「情報共有」よりも、相づちなどの形で表現される「気持ちの共有」の方を大事にしています。

2.意見交換
 意見交換の時間の中で、比較的多かった質問や意見は、TRYWARPの主たる担い手といえる「学生」に関することでした。「TRYWARPに関わる学生が、新たな学生を誘うという事業の進め方が面白い」という意見に関連して、虎岩さんは「学生にとって、地域の人との世代間交流はとても意義がある。学生たちは、地域の人とあいさつすることで、地域の人が自分を気に掛けてくれるようになることに感動する」との話。「最初はアルバイトのつもりだった人が地域の人と交流して感動していた。事業が知られるようになった最近は、初めから交流を意識する人が多くなった」ということでした。また、この点に関連して「TRYWARPで行っていることは、実は学生を育てる(社会化する)ことなのではないか」という意見もありました。
 「NPO法人の固定費は株式会社の収益で補てんしているのか」という質問に対しては、「逆に株式会社の方がNPO法人にすがっている。株式会社は事業への『思い』からではなく、『金銭を得ること』を主目的にはじめたのがいけなかった(『思い』をもってやった方が上手くいく)。なので、今年は次なるジャンプに向けて『しゃがむ』年にしようと皆に言っている」とのコメントがありました。なお、TRYWARPの収益構造については「年間予算は6000万円で、収入は全てパソコン教室の事業から得ている。『あみっぴぃ』は現在、全て自費で運営している。かつては外へのノウハウ提供などによる収益があったが、今はあくまでも、受講者がパソコン教室を続けようという動機づけのためのツール」だとのことでした。
 「TRYWARPが今後成長するためには、人材を確保し、創業者がいなくても組織が回っていく仕組みをつくることが必要では?」との問いかけに対しては、「2007年の春に、『社長室』をつくってわざと現場との距離をとり、自分は問題が起きたときだけ対処することにした。最初の年はほとんど影響が出なかったが、2年目から問題が出てきた。それらの問題に対処し、最近ようやく落ち着いてきたところ」とのコメントがありました。