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第5回 コミュニティビジネスちばエリアネット研究会 報告

 1月20日(水)、「特定非理営利活動法人 NPO支援センターちば」(柏市)にて、CB研究会の第5回を開催しました。
 今回は、「特定非営利活動法人 日本ファイバーリサイクル連帯協議会」(JFSA)の田辺航太郎さんより、古着の販売を通じた日本とパキスタンの連帯事業の内容について話題提供がありました。
CB研究会の本年度活動計画(PDF)


1.地域善し・海外善しのビジネスモデル
 JFSAは、日本とパキスタンの古着販売事業を通して、自立を支援する連帯事業を進めているNPO法人です。主な事業内容は、古着の仕分け選別、パキスタンへの古着の輸出、古着の日本国内での販売、事業支援・交流・現地調査のための現場派遣、そしてパキスタンのスラムの子ども達の暮らしや古着の行方について情報を会員や支援者へ知らせるための広報です。
JFSAでは、昨年度、生協などの協力団体にお願いして広報紙に情報掲載するなどして、年間約90トンの古着を集めました。その中から、約69トンの衣類を選別してコンテナに積み込み、パキスタンに送りました。パキスタンでは、現地の人たちが卸売業者と価格交渉をし、古着の販売を行います。そうして得られた利益は、カラチ市内にある学校(アルカイール・アカデミー)の運営費に充てられます。
古着の国内販売については、千葉市の倉庫と、柏市の「カプレ」での店頭販売のほかに、週末に都内のフリーマーケットに出向いての販売もしています。なかには、連帯事業の趣旨を知った上で協力してくれるフリーマーケットの主催者の方もいます。
 JFSAが支援している「アルカイール・アカデミー」は、1987年設立の無料の学校です。200万人が住んでいるといわれるスラム地区、カラチ市ニューカラチに本校があり、他にも、ゴミ置き場の中にあるカチラクンディ分校などがあります。アルカイール・アカデミーでは、現在、スラムで生活している2500人の子ども達が学んでいます。そこでは、彼らが貧しさから抜け出せるようにするための教育が行われています。具体的には、コンピューター・クラスや縫製科などがあり、子ども達が職業的な能力を身に付けられるような教育を行っています。
 JFSAでは、古着販売事業の他に、パキスタン北部地震の被災地であるケートサラーシの支援活動も行っています。また、ムルタン焼という陶器をパキスタンから輸入し、JFSAの協力団体を通じて販売する事業も始めています。

2.意見交換
 アルカイール・アカデミーの収入源について、田辺さんによると、「JFSAとの古着販売事業による収入が4割。他には、パキスタン国内からの寄付もある」ということでした。
 JFSAとアルカイール・アカデミーが連携したきっかけについて、「現在、JFSAの事務局をしている西村さんは、柏でリサイクルショップを営んでいた。そこに買い物に来ていたパキスタン人の人たちとの出会いがきっかけで、パキスタンを訪問したが、その際、物乞いをする子どもたちが多いのに驚いた。『子ども達に物をあげるのではなく、働いていける力をつけられるように支援したい』と考え、現地のパートナーを探していたところ見つかったのが、アルカイール・アカデミーだった」とのこと。
 日本で集められる古着は、JFSAの活動に賛同した人たちからの寄付で賄われています。 しかし配布されたJFSAの会報には、「これから先、我々は古着が増える社会を望んではいないし、これ以上増えないのではないか……アルカイール・アカデミーの人々に少しでも利益が入るように、古着にこだわるのではなく、それ以外の事業も積極的に発展させていったらよいのでは」という支援者の意見が記載されていました。これについて、「ムルタン焼も含めて、新しい事業について試行錯誤している。もしかするとパートナー事業の新たな段階として、輸出入事業が位置づくことになるかもしれない」との話です。
 アルカイール・アカデミーの縫製科の子ども達が作った布製品を、日本で売ることは考えていないのか、という質問に対しては、「検討はしている。でも、まずはパキスタンの国内でやっていけるようにしたい」とのことでした。
 古着販売事業を含むJFSAの収入は、2008年度の収入合計金額が約4900万円の中で、古着販売事業でパキスタンから得た収入は57万円で、JFSAの収入全体の数%。古着を安くパキスタンに卸しているため、収入の額は少ないという話でした。そういう収支構造について、「パキスタンの事業のためには、国内の事業の成長が必要」という意見が出されました。古着などの提供を、企業ではなく企業の従業員の人に協力してもらうことや、エコポイントの活用など、新たなビジネスモデルの提案もありました。