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第6回 コミュニティビジネスちばエリアネット研究会 報告

 2月19日(金)、「松戸市女性センターゆうまつど」を会場に、CB研究会の第6回を開催しました。
 今回は、「特定非営利活動法人 アルコイリス」の大橋則久さんより、ペルーをフィールドに行っているコミュニティ・トレードの経緯と現状、そして今後の事業展開について話題提供がありました。
CB研究会の本年度活動計画(PDF)


1.コミュニティ・トレードを核とするビジネスモデル
 南米大陸にあるペルーは、国土の約60%がアマゾンの熱帯雨林で占められています。アンデス山脈に抱かれた高低差のある熱帯雨林では、約25000種類の植物が生息しており、そのうちの4000種類は有用植物です。この植物の多様性に目を付けて、1999年、高校時代の友人とペルーで起業し、翌年にはネットショップの「アマゾンハーブオンラインショップ」を開設しました。この事業は、商業的に上手くいきました。
 しかし、ある雑誌の特集を読んだのがきっかけで、「もっと有効な植物資源の活用法はないのか?」と思うようになりました。その結果、2004年に「アルコイリス」というプロジェクトを立ち上げることとなり、2006年には同じ名称でNPO法人化しました。
 アルコイリスの事業目標は、「貿易の促進を基本とした相互交流による持続可能な熱帯雨林地域経済開発の実証」で、「熱帯雨林の環境破壊につながらない」、「生産地域の生活環境破壊改善に貢献する」、「世界の人々の健康に貢献する」、そして「事業の継続のために利益を確保する」ことの4つが、事業の大きな柱となっています。
 アルコイリスでは、JICAの支援を受けて「アグロフォレストリー事業」を行っています。この事業は、焼畑に頼ることなく、森林を守りながら農業収穫を得ることを目指した事業です。この事業を進める上で大きな可能性のある植物が「グリーンナッツ」で、現地では古くから食用に使われてきました。グリーンナッツからは良質の油がとれるため、アルコイリスではグリーンナッツ・オイルをつくって販売しています。また、国立ウカヤリ大学にモデル工場をつくり、人材育成とオイル生産、そして品質保証能力の強化をはかっています。
 ペルーで生産したグリーンナッツ・オイルをコミュニティ・トレードで輸入し、日本で販売するのにあたって障壁となるのが、日本人はグリーンナッツのことを知らないという事実です。そこで、日本で安全性確認や慢性毒性検査といった検査を行いました。ちなみに、こうした検査は通常、数千万円かかるのですが、関係者の協力により、無料で行うことができました。また、昭和女子大とお茶の水女子大の協力により実験を行い、グリーンナッツ・オイルには抗老化作用があることも分かりました。グリーンナッツ・オイルのこうした効果は、『クロワッサン』や『an・an』などの雑誌でも取り上げられました。
 アルコイリスでは現在、大学工場の経営、実験農場の運営、契約農家の開拓やエコクッキングレシピ事業(アマゾンの森と子どもたちを育てる事業)といった具体的な事業を行っています。これらの事業が軌道に乗り、モデルが出来上がれば、現地の自立発展を重視して撤退をはかる予定です。

2.意見交換
 「グリーンナッツ・オイル」の販売形態について、「卸を通した販売が8割で、最近は『デパ地下』でも売られるようになった」とのこと。
 アルコイリスの理念・目標を共感してもらい、商品を(リピートで)購入してもらうために何か工夫は、「卸の人にパンフレットを配布している。志の高い自然食品関係の人からは理解してもらいやすいが、デパートの関係者が相手だと理解してもらうのが難しい。それでも、機会があればデパ地下で積極的にデモンストレーションをするようにしている。その結果、共感してくれるお客様もいる」とのことでした。そして、『クロワッサン』や『an・an』などの有名な雑誌が取り上げてくれたのは、「こちらから何か働きかけをしたのではなく、我々と取引のある人の中で、メディアとつながりのある人が雑誌へつないでくれた」おかげで、パブリシティとなったとの話でした。
 数千万円かかる検査を無料でしてくれた件に関しては、「関係者に飛び込みで営業に向かい、アルコイリスの理念に共感してもらうことで、無償でやってもらった」ということでした。ちなみに、ペルーのウカヤリ大学との関係も、飛び込み営業によってつくられた関係だということでした。
 事業がモデル化されたところで撤退する予定であることに関して、「撤退後は『輸入代理店』としてやっていくのか、それとも、つくったモデルを別地域に展開する事業を行うのか。」という質問も出ました。答えは、「おそらく今後も、ペルーをフィールドに事業をやることになると思う」とのことでした。
 「『グリーンナッツ・オイル』などの商品力を上げるために、第三次産業の力を借りて付加価値(物語性)をつけることが有効ではないか」という意見も出されました。これに対して大橋さんは、「確かに物語性は重要だが、ブームが起きて煽られることが怖い。つまり、ナタデココやカムカムなどのように、その良さがマスコミに大々的に取り上げられることによって商品が大量に売れたかと思うと、その後ブームが去るとともにさっぱり売れなくなる事態が起きるのが怖い」との認識を示していました。