【目次】
1.高齢社会における地域見守り活動の仕組みづくり
住民主体の見守り活動とネットワークの形成
松戸の自治会活動から生まれた地域見守り活動は、ITをツールにした人の労力を軽減した高齢社会に対応する住民活動である。
この活動の詳細
「あんしん電話」とは?
活動が継続していく中で、人と人のかかわりを蓄積させ、より親密な関係を創り出している。「人」の不安定さを排除したシステムが、つながりが薄くなった地域コミュニティを新たな形で再生していくという、一見矛盾した現象が起こり始めている。
自発的な意思をもって活動する人たちは自発的に連なり、情報交換し、交流会などのことを起こし、活発に人やことを行き交わす。一つの動きは次々と連鎖を生み、形を形成していく。やがて、それは、目的を持ったネットワークとなる。ネットワークは、さらに洗練され、結びつきと意欲をはぐくむ場と仕組みを持った高齢社会の活力を生み出す仕掛けとなっている。生きた血の通う仕組みは、やがて、松戸だけでなく、汎用性の高い仕組みになっていくはずである。
CoCoTは、2011年からこの活動の伴走者として、事務局を担ってきた。
一方で、「高齢社会における自動応答電話をツールにした住民主体の見守り活動」をテーマに、参与観察を行い、2012年から、公益財団法人ニッセイ聖隷健康福祉財団の調査研究事業を受託してきた。
公益財団法人ニッセイ聖隷健康福祉財団
実践的調査研究事業
2019年10月
報告書『高齢社会における公共性の高い福祉サービス事業「あんしん電話」の包括的調査研究』
2017(平成29)年10月
報告書「高齢社会における住民主体のまちづくりの調査研究」(PDF: 3.5MB)
2016(平成28)年10月
報告書「地域の多様性を活かした高齢社会におけるまちづくりの方策の検討」(PDF: 2.4MB)
2014(平成26)年10月
報告書「高齢社会における安心なまちづくり調査研究」(PDF: 2.4MB)(PDF: 2.4MB)
2.草の根のセーフティーネットづくり
「あるといいね、草の根セーフティーネット」
この事業の目的
この事業は、自らの選択ではない社会的排除によって孤立した市民に対し、クラウド型地域見守り電話システムなどのIT 機器をツールとして活用して緩やかなつながりとコミュニティを生み出し、多様な世代と立場の地域住民による草の根セーフティーネットを築き上げることを目的としています。
団塊世代が後期高齢者となる2025 年とその先に続く多死社会を見据え、30代・40代を巻き込んで、IOT を地域住民が主体的に活用して互いに見守りあうことのできる地域社会の創生に取り組みます。
そのために、地域住民が超高齢社会における地域コミュニティの在り方を模索し、政策提言の力をつけていくことを支援していく事業です。
今年度の実践的な取り組みから、以下のような具体的な成果を得ることを目標としました。
- 地域住民による草の根のセーフティーネットを社会的な仕組みとして政策提言していくためのプロセスを描きました。
- セーフティーネットを支えていく見守りボランティアの役割を当事者と利用者の声から抽出しました。
- クラウド型地域見守り電話システムを導入する見守りステーションが、地域性だけでなく、様々なテーマや人のつながりによるコミュニティの核となる可能性を事例から引き出しました。
2019年度;事業報告書
「あるといいね、草の根セーフティーネット」(事業実施期間 2019年4月~ 2020年3月)